2019年7月27日土曜日

慶應義塾大学理工学部創立80年記念イベント(2019/6/26)感想等 -概要編-


概要

慶應義塾大学理工学部創立80年記念イベントシンポジウムの一つ。AIや量子コンピュータの企業利用がどの程度進んでいるのか、学生はどのような形で学んでいるのかについて聞ける珍しい機会だったので行ってみた。
 午前のAIは、大学でAIの講座をどのように開催しているか、協賛企業が問題解決でどうAIを使っているか、企業として学生に何を求めるか、が中心。各塾生(慶応大学は学生と言わず塾生と言うのか?)が自ら講義に参加し、そして講師まで担う、「適塾スタイル」(と言うらしい)が普通に回っていることに驚き。二年生くらいでシラバスを持って講師役に応募する塾生が居るとか。競技プログラミングは課題を与えられてから二週間でアルゴリズムの検討、プログラム開発から応募まで終わらせる。全体的にかなりレベルが高い感じを受け、今後AIの技術だけでなくビジネススキル、コミュニケーション、企画力等が高い学生が市場に出てきて活躍するのかと思うと、期待できそうでかつ少し恐ろしくもある。文系理系問わず学生にAI教育を行うとの指針が国から出ているそうだが、大学ごとの差は大きそうな感じがある。
 午後の量子コンピュータは、IBM Qにアジアで唯一接続できるのが慶応大学とのことで、日本、アジアから人、ノウハウが慶応に集約されている様子が語られる。古典コンピュータ(現在の形のコンピュータ)でシミュレーションを行うスタイルから、直接、まだ開発・進化中のQにつなぎ、Hardwareと共にSoftwareUse Caseも成長させる。Quantum Ready、その後Quantum AdvantageQuantum Businessへと進み、現在のコンピュータの不得意分野を補うところから、本格的な量子コンピュータの時代に入る。それまでに開発・利用のノウハウを構築しておかないと世界に乗り遅れる。AIはまだ手持ちでなんとかなるレベルだが、量子コンピュータはまだまだハードが限られており、こういうハードと共に成長する組織と共同研究する価値は非常に大きいのだろう。今後ハードまでCommodity化するかどうかあたりの話は聞けなかった。まだIBM Qに関しては、実機がニューヨークにあり、アジアの唯一のHubとして慶応がある、レベル。Hubという組織ができて1年で、量子コンピュータのビジネス利用における課題がかなり明らかになった様子。1年で組織形成から論文共著まで行くのはメンバーにとっても結構速いことだったとか。
 コンソーシアムはあと1年だがメンバー企業も募集中とのこと。



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