Vue.jsは半日程度の研修であっさり概要、使い方などを聞いた程度だが、クラウドサービスとの相性が良く、今後主流になっていくかもしれないとの話で気になっていた。研修ではVisualSourceCodeにプラグイン入れて開発環境を構築し、GoogleChromeでデバッグしつつ、ログイン、メニュー、画面コンポーネントを軽く弄った程度だったか。
この本では、Vue.jsのVersion3.0を中心に(3.0中心の部分と、2.xをベースとしている部分がある。(3.0は執筆当時でドキュメント、ライブラリが3.xに完全対応していないとのこと))、実際に動くものとして、
(1)名前・メールアドレスを入力、検索するサイト、
(2)Googleカレンダーのようにログインした人のスケジュールをいれたり共有したりするようなかなり本格的なもの、を開発しつつ、VueRouter等の各機能やプラグイン等基本的なアプリを開発するのに必要なVueの機能について説明がなされている。特に(2)は様々なHowTo本に出てくる例よりは随分とレベルが高い。
環境はVue CLI使用。Windows、およびMacでの環境構築手順は書かれている。Vue
CLIでのインストール時選択肢やその意味、理由はかなり丁寧め。コードは、JavaScript、TypeScriptでの書き方が並列。
Vueおよび周辺ツールの使い方としては、ソースコード構文チェックツールESLintの使い方、整形ツールPrettier、テストツールJest、ルーティングVue
Router、UIコンポーネントライブラリVuetify等。開発するために知っておくべき周辺知識、プラグインの説明が一通り網羅されている。少し規模が大きな開発をする際のディレクトリ、ファイル分割方法、Vuexや厳格モード、また、ひな形をどのように修正し、不要なファイルを削除するか、といった準備や、単体テスト、共通部品の考え方等、「プロジェクトでVueを使い始めるのに必要なお作法」も一通り掲載されている。プロジェクトで新たに環境や言語を選ぶ際には、メンバーにその環境で本格的な開発を経験したことがある有識者が一人居れば言うことはないが、この本一冊あると、有識者のあてがなくても、開発経験チームであればスムーズにVue.jsでのサービス開発・提供可能な諸準備は十分整えられるだろう。
データベース等外部との連携、本番環境へのデプロイ方法については未記載なので、その辺りは別途補完する必要がある。
あと、ほぼすべてのコードがJavaScriptとTypeScriptの二通りで書かれている。本がかなり分厚いので、どちらかはサンプルコード集(出版社のサイトからダウンロードできる等)にお任せしてもう少し本が薄くなればなぁ、と。
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